プロローグ

○プロローグ

 すべては、おぼろな記憶として、時を過ごしていた時間が流れていた。
 どれくらいの時をそうして過ごしていたのか。記憶のブリザードが吹きすさぶ時間の合間に、幼子の顔がリアルに浮かぶ。
 彼と過ごした年月。
 彼の保護者として、成長を見守り、成人してからは、生き生きとした瞳に浮かぶ冒険の世界を共に歩んだ。
そして、別れ。
 再び、おぼろな時間が流れ、それからまたどれくらいの年月が流れていったのだろうか。
 ブリザードと化した記憶の先に、小さな港にたどり着き、とある闇の組織の仕事をこなす日々が、点々と浮かんでは消えてゆく。
 死ぬことを許されず、並外れた腕を持つこの身は、組織にとってはとても都合よかった。危険を伴う用心棒の仕事や、単発でハードな仕事を与えられた。
 重いフードをかぶり、顔相をほとんど見せなくとも、ミイラのように干からびた腕を見せるだけで、その筋の者たちの畏怖を勝ち取ることが十分できたのだった。
 けれど、彼らと会う事によって、おぼろな時間に終止符が打たれることになる・・・。




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